Pride and Dust World(HTN)

画家ではありません。 イラストレーターでもありません。 物語と詩を書いています。 それらと対になる絵を描いています。 Japanese Working Class Artist. 制作依頼はお気軽に。かつてない時代を生きている「今」だからこそ、伝えたいことがある。

since August 25th, 2007/僕が出逢った景色から(13)

『短い物語P&D』は、とても短い物語と、それを表す絵画で構成されています。
連載ではなく、一話完結です。

日常という現実。
空想してしまうという現実。
夢を見るという現実。
それらが混在する混沌とした日々から生まれた物語。
時には共感できないエンターテインメント。

「かつてない時代を生きている今だからこそ、伝えたいことがあります。
当公演にアンコールはございませんので御了承下さい。
それでは間もなく開演です。」

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■短い物語P&D『土に還る』

僕は悩み考える。
選択できない未来。
花となって咲くのもいいと思う。
けれど、僕は大地に降りたいと思っている。
羽根はなくても、僕たちは遠くへ運ばれる運命だから。
遺伝子がそうしなさいって言ってるみたい。
アイツらは、咲き誇ろうと必死だけど。

最近はどこもかしこも落ち着きが無い。
風も迷っている。
降りてもすぐにテイクオフ。
いったいどこへ運んでくれるのか。

旅する鳥や、運び屋の虫はいつも忙しい。
言葉を交わすことはないけれど、お疲れ様。
お忙しいところ悪いけど、僕をそろそろ運んでほしい。
あなたたちが頼り。

 

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どこへいっても固く覆われていてダメになった世界。
それでも僕は諦めない。
人の邪魔をするつもりはないから。
悪役のまま終わるつもりなんてないんだ。
なんとか土に降り立って、また戻って来てみせる。
だから僕は、安息の地を必ず見つける。 ~終わり

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【作話】
■タイトル(Title):短い物語P&D『土に還る』
■作家名(Artist):環樹涼(RYO KANZYU)
■制作年:20
※物語はブクログのパブーにて電子書籍として配信しています。KindleKoboにて配信中!
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【画】
■タイトル(Title):『土に還る』
■作家名(Artist):環樹涼(RYO KANZYU)
■制作年:2008
■画材:ボールペン(&鉛筆)、画用紙、スプレー
■作品サイズ:B5サイズ相当の画用紙を使用。縦19cm×横14cmの枠内に描画。
■販売価格:10,000円(税込)